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#27 映画である必要性・・・ [映画]

回は、結構久々(2年2ヶ月ぶりw)に映画の話を。

【送料無料】ゲームセンターCX THE MOVIE 1986 マイティボンジャック/有野晋哉[Blu-ray]【返品種別A】


 セレクトした作品は『ゲームセンターCX』の映画版。単刀直入に、このDVDを観て感じたことを挙げるとしたら。
「完成したものをブチ壊してどうする?」という点。

 自分は、この番組が好きでDVD-BOXも購入していますが――正直この映画は、いつぞやの『弟切草』『かまいたちの夜』を実写化した時のような「何コレ」感いっぱい……という印象でした。まず、そもそも「映画なの?」と思いましたし。その点では、ちゃんと映画・ドラマとして制作していたチュンソフト作品の方が、まだマシだったかもしれません。
 この映画で主に使用されている『マイティボンジャック』はDVD-BOX4に“完全版”として収録されていますが、そのバージョンは「見事」と感じるくらいに綺麗に纏められています。そちらを知っていると、この映画に入っている“有野の挑戦”パートは文字通り【蛇足】なアレンジとしか言いようがないというか? 寧ろ、その素晴らしいオリジナルを自ら穢しているような……ファンに向けての映画が、逆にファンにさえ「やめてくれ!」と思わせてしまうような内容になっていると感じました。これではファン以外の人では入る余地も少ないのでは? 既述のチュンソフト作品も同じように、その作品のファンもそうでない人も混乱するような感じだったという点では共通している気がしました。映画に合わせての編集も「えっ、あそこ(面白いところ)カットしちゃったの!?」という部分ばかりですし。
 昔といま(収録当時)を交互に、という情報を聞いていたので例えば挑戦1日目に有野さんが話していた「あの頃は、このあたり(序盤)ばかりやっていたわー」という話から、その時代に場面が変わりゲームに熱中していた時代へオーバーラップするとか……そうして思い出を辿りシーンが交互に変わりつつ、やがて元の時間に戻る。たとえ、そういう課長のゲームヒストリーっぽい感じになろうとも何かしら本編とリンクするようなストーリーかと思いきや殆ど関係ないという(そして、その追加部分の話も「何やねん!」と突っ込みたくなる箇所が多い)。
 そもそも“いま”の時代のパートが放映された番組そのもの、というのも違和感がある。
 この映画を観ようと思う人はCSなりDVDなりで、この回を既にチェックしている人も多いと思う。つまり観る前の段階で良い記憶として刻まれているのに大スクリーンで、それの編集版(はっきり言えばオリジナルに比べ劣ったバージョン)が流れてきたらどう感じるか? ミネラルウォーターに水道水を混ぜるような無駄で、かつ勿体無い結果になりはしないだろうか。
 折角『ゲームセンターCX』を映画に、という感じだったんだから“有野課長”を主人公とし、彼が働く会社と社員たちの物語……みたいに設定を膨らましても面白かったのでは、と思う。どうせ特別版ならジャニーズの『ファンタスティポ』や『エイトレンジャー』といった映画みたいに思い切った形でやってもらいたかった。

 良かった、と感じたのは怒髪天が歌うエンディング曲『プレイヤーI』。
 もし脚本が、この歌(というか詞)をラストに聴いて「感動した」って思えるような内容だったら雰囲気は全然違っていたと思う。そういう意味でも、この作品は中途半端な印象が強いのは否めず“映画”としてやる必要性が感じられない一作というのが正直な感想です。
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